ペダリングの基本


1、ペダリングを語る前に・・・

スポーツとは、簡単に言うと筋肉を動かす事です。

しかし、強くなると言う事は単に筋力がアップする事だけでは有りません。

筋力アップと共に、スキル(技術)の向上も大切な要素となります。

それならば、どうすれば早く上達するのか・・・

無意識に体が反応するようになるには、意識して筋肉を動かす事から始める事が大切です。

意識性の運動を繰り返す事で、意識性から無意識性の運動へと移行していきます。

筋肉は、伸びた(伸展)状態から縮む(収縮)時に力を発生させます。

先ずは、筋肉の伸縮を意識したペダリングを覚えてください。

筋肉の伸縮を意識したペダリングが、貴方のペダリングスキルを向上させてくれます。

私がそのお手伝いが出来れば幸いです。

ここでは、ペダリングの基本技術及び意識について解説していきますが、科学的な実験データに基づくものでは有りません。

あくまでも、私自身が経験として得てきた物を私なりの解釈で解説した物です。

参考にされるか否かは、ご自身でご判断下さい。

但し、今まで多くのプロ/アマ選手を指導し、結果を残してきた事をご報告申し上げます。


2、踏むペダリングと回すペダリング

ペダリングを語る中で、よく「踏む」とか「回す」とか言われます。

確かに自転車は、ペダルを交互に踏みつければ進んで行きます。

しかし、ロードレーサーでは「踏み込む」だけのペダリングは非常に効率の悪いペダリングと言えます。

ここでは、踏むペダリングを「上下動を意識したペダリング」として、

回すペダリングを「前後運動も意識したペダリング」として解説していきます。

踏むペダリング  主にペダルの上下動を意識したペダリングです。
(踏み込み)

ペダルに上から力、もしくは体重を掛けるペダリングです。

アップライトなポジションで乗っている場合は、主に太腿(大腿四頭筋)とふくらはぎ(下腿三頭筋)の筋肉が働きます。

アップライトなポジションでは、お尻の筋肉(大臀筋)は縮んでいます。

前傾姿勢をとる事でお尻の筋肉(大臀筋)が伸び、筋力を発揮する事が出来ます。

ペダリング時の主な運動となりますが、踏み込みだけでは同じ筋肉ばかり使ってしまいます。

(引き上げ)

引き上げペダリングには、ビンディングペダルやトウクリップ等などの装備が必要です。

引き上げペダリングで大切なのは、踵を引き上げるのではなくつま先を膝の方へ引き上げる意識です。

つま先を引き上げる為に脛の筋肉(前脛骨筋)、下腿を引き上げるふくらはぎの筋肉(腓腹筋)、腿を引き上げる太腿の筋肉(大腿直筋)が作用します。

踏み込みペダリングでは左右どちらかの足にしか負荷が掛かりませんが、踏み込みと引き上げを左右同時に行う事で沢山の筋肉が稼動され、効率が良く疲労の少ないペダリングを行うことが出来ます。

回すペダリング  * 踏むペダリングに前後の動きを加えます。
(蹴りだし)

クランクのの上死点付近では、ペダルに踏み込む力を加える事は出来ません。

しかし、ペダルを前に蹴りだす事で推進力を発生させる事が可能です。

この時には太腿の筋肉(大腿四頭筋)で膝下を蹴りだす意識でペダリング行ってください。

踵が上がり過ぎない(足首が伸びない)様に脛の筋肉(前脛骨筋)を収縮させる事も大切です。

(すり足)

クランクの下死点付近でも、踏み込む力は有効に働きません。

ペダルを後へ引き下げることで推進力を発生させます。

「靴の裏のドロを拭う様なペダリング」などと表現されています。

この時主に働く筋肉は、お尻の筋肉(大臀筋)、太腿裏の筋肉(大腿二頭筋)、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋)です。

足首をしっかり固定する事も大切です。下腿下部の筋肉(ヒラメ筋・腓骨筋など)が強く働きます。

上に紹介した物が、大まかなペダリングの意識です。

4つの動作を連続して自然に行える事が大切です。

ペダリングの基本は回す事ですが、回すペダリングの中でも踏み込みを意識したペダリングと回転力を意識したペダリングがあります。

向かい風や上り坂になれば自然に踏み込みは強くなりますし、下り坂や追い風では踏み込むことよりも回転を上げる事が必要になります。

上の4つの運動を体で覚える事で、状況にあったペダリングが自然に出来るようになってきます。


3、ペダリングスキル

前項の解説の中では大まかなペダリング意識を解説いたしましたが、

この項ではさらに細かく筋肉の動きを解説していきたいと思います。

写真@

@ クランク角 0度

ペダルが一番高い位置に来ています。

股関節は大きく屈曲し、お尻の筋肉(大臀筋)が伸展しています。

膝関節も屈曲しています。
太腿の前部の筋肉(大腿四頭筋)は伸展し、後部の筋肉(大腿二頭筋)は収縮しています。

足首の角度も一番小さくなります。
すねの筋肉(前脛骨筋)は収縮し、ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)は伸展しています。


この位置から、ペダルと足の動きについて解説していきます。

写真A

A クランク角 45度

解説


写真@と比べ、ペダルの位置が前にあります。
大腿の角度変化は大きく有りませんが、膝から下(下腿)の角度が大きく変っています。


スキル


@からAへのペダリングとしては、足を前に蹴り出す様なイメージになります。
この時、踵が上がらないように意識します。

膝関節を伸展させる為に、ふとももの筋肉(大腿四頭筋)の収縮を意識します。
足首の角度を固定する為にはすね(全脛骨筋)とふくらはぎ下部(ヒラメ筋)の緊張も必要です。
この時主に働く筋肉は、脚の前側の筋肉と言う事になります。

写真B
B クランク角度 90度

解説


Aと比べて股関節、膝関節、足首共に角度が大きくなっています。
AからBにかけては、蹴りだす意識よりも踏みつける意識の割合が多くなります。

スキル


股関節を伸展させ腿を踏み下ろす為に、お尻の筋肉(大臀筋)を収縮させます。
膝を伸ばす為にふともも前側(大腿四頭筋)にも大きな力が働きます。
この時、踵は下がらないように意識します。
踵が下がらないようにする為には、ふくらはぎ下部(ヒラメ筋)を意識します。
写真C
C クランク角度 135度

解説


B〜Cでは踏み込む力が最大限に発揮されます。
股関節、膝関節共に伸び、体重がしっかりペダルに乗っています。
@〜Bではペダルは前に送り出されますが、C〜Fまではペダルは後に引かれていきます。
この辺りから引きを意識したペダリングが始まります。


スキル


ここまでは、お尻の筋肉(大臀筋)と太腿の筋肉(大腿四頭筋)の収縮を意識しますが、ここからの意識はは太腿の筋肉(大腿四頭筋)の収縮から太腿裏の筋肉(大腿二頭筋)の収縮運動に変っていきます。
ふくらはぎの筋肉(腓腹筋)を使って、ペダルの引き下げを十分に意識していきます。
写真D
D クランク角度 180度

解説

クランクが下死点に来ています。
股関節は更に伸びていますが、膝関節の伸びは大きく変りません。
踏み込む運動から、引きの運動に移行していることが分ります。

スキル

体の後ろ側の筋肉を大きく意識します。
足を後に蹴るように、太腿裏の筋肉(大腿二頭筋)とふくらはぎの筋肉(腓腹筋)を収縮させます。
「靴の裏のドロを拭う」ようなペダルにしっかり乗った「すり足」イメージが大切です。
写真E
E クランク角度 225度

解説

股関節、膝関節、足首共に角度が小さくなっています。
ペダルは後方に引かれると同時に、上方向に引き上げられています。

スキル

膝関節を曲げる為に太腿裏の筋肉(大腿二頭筋)とふくらはぎの筋肉(腓腹筋)の収縮を更に意識します。
また、腿を引き上げる為に太腿の筋肉(大腿直筋)が収縮します。
踵が上がらない様に、つま先を引き上げるイメージで脛の筋肉(前脛骨筋)に力を入れます。
写真F
F クランク角度 270度

解説

更に関節は屈曲していきます。。
膝が屈曲すると、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋)の働きは弱くなります。
変って脛の筋肉(前脛骨筋)と太腿の筋肉(大腿直筋)の働きが大きくなります。

スキル

つま先を膝の方向へ引き付ける意識で脛の筋肉(前脛骨筋)にしっかり力を入れます。
更に太腿を胸の方へ引き付ける意識で太腿の筋肉(大腿直筋)をしっかり収縮させます。
太腿を引き上げる筋肉の収縮は、腿の付け根付近を意識する事で確認が出来ます。
写真G
G クランク角 315度

解説

F〜Gに掛けては、ペダルが前に進む運動に変ります。
ペダルをひきつけると同時に、蹴りだす動作が始まります。
お尻の筋肉(大臀筋)、太腿裏の筋肉(大腿二頭筋)、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋)の働きは弱くなっています。

スキル

つま先を上げる意識ばかり強くなると、かえって踵が下がることになります。
足首を固定し、太腿を胸につけるような意識を持つ事で強い引き上げが可能になります。
写真H
H クランク角 360度

解説

クランクが上死点に戻っていきます。
太腿は更に高い位置にあります。
股関節の角度が一番小さくなり、お尻の筋肉(大臀筋)が十分に伸ばされ、踏み込みの準備に入ります。
後ろ側の筋肉から前側の筋肉へと力のバランスが入れ替わっていきます。

スキル

G〜Hでは引き上げると同時に蹴りだす動作が加わります。
太腿上部の筋肉を意識する事が大切になります。

以上が、もう少し掘り下げたペダリングスキルとなります。

上で解説した以外の筋肉も勿論稼動していますが、ここでは一般的に分りやすい筋肉のみの解説に留めてあります。

前項でも説明いたしましたが、走行条件によって力のバランスは大きく変っていきます。

上に解説した物は、基本的な筋肉の運動としてご理解ください。


4、ペダリング時に意識する主な筋肉

臀部の主な筋肉 大臀筋/中臀筋 など

大臀筋

体の中でもっとも大きな筋肉です。また、もっとも強力な筋肉です。
大臀筋は仙骨から始まり、大腿骨についています。
大腿骨を後方へ引っ張る動作を受け持ちます。
太腿後部の主な筋肉 大腿二頭筋/半腱様筋/半模様筋 など
大腿二頭筋 長頭と短頭からなり、2つが合わさり膝の外側のひ腓骨頭に終わります。
膝を曲げる(腓骨を引き付ける)働きをします。
大腿前部の主な筋肉 大腿四頭筋/縫工筋
大腿四頭筋 膝関節の伸筋で、比較的速筋繊維の多い大腿直筋と、遅筋繊維が多くサポートの働きが大きい3つの広筋(内側・外側・中間)に分けられます。
大腿直筋は、大腿骨より上部の下前腸骨棘と股関節窩から始まります。
他の3つの広筋は大腿骨の各部から始まります。
4つの筋は膝近くで合わさり、1つに腱になって膝関節で終わります。
大腿直筋は二関節筋なので、股関節の屈曲と膝の伸展を行います。
縫工筋 上前腸骨棘から始まり、斜めに大腿部を超えて膝の内側(鵞足という)に終わります。
縫工筋も大腿直筋と同じ二関節筋です。
下腿後部の主な筋肉 下腿三頭筋
下腿三頭筋 工事中! m(__)m
下腿前部の主な筋肉 前脛骨筋/腓骨
前脛骨筋 工事中! m(__)m
腓骨 工事中! m(__)m

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